年次有給休暇@(付与方法と基準日)

(年次有給休暇)

第18条 (年次有給休暇)

  各年次ごとに所定労働日の8割以上出勤した従業員に対しては、次の表のとおり勤続年数に応じた日数の年次有給休暇を与える。 

 勤続年数

 6ヶ月

1年

6ヶ月

2年

6か月 

3年

6か月 

4年

6ヶ月

5年

6ヶ月

6年6ヶ月

以上

 付与日数

10日

11日

12日

14日

16日

18日

20日

チェックポイント

【原則通りの付与方法は管理が煩雑!】

年次有給休暇の付与方法について、

法律で「最低限与えなくてはいけない」とされているルールが

このサンプル規程の内容です。

これよりも「遅いタイミング」や「少ない日数」での付与はできません。

 

よって、この方法で付与するのが1つのやり方です。

 

しかし、今は中途採用が増えてきていますので、

結果として入社日が各人によって異なるケースが増えています。

そうなると、従業員ごとに細かな管理(誰にいつ付与するのか)を毎年行わなくてはなりません。

従業員数が少ないうちはそれほど問題ないかもしれませんが、

人数が増えるにつれてこの管理は煩雑になってしまいます。

 

ひらめきそこで、入社日に関わらず「一定の日」に付与する方法があります。

よく利用されているのが「4月1日一斉付与」なので、

ここでは4月1日に一斉付与することを前提に一例をあげておきます。

 

入社日が異なる2人で比較しながらみていきましょう。

Aさん:平成22年7月1日入社

Bさん:平成22年12月1日入社

 

@入社後、最初(10日分)の付与日

入社時に付与することもできますが、直ぐに退職されてしまうと困るので、

ここでは原則通り「入社日から6カ月後」に付与するものとします。

 

Aさん:平成23年1月1日 に10日付与

Bさん:平成23年6月1日 に10日付与

初回については、4月1日ルールの例外としてあくまでも「入社6カ月後」とします。

 

A2回目(11日分)の付与

4月1日に付与するのが原則になりますので、

初回付与後直近の「4月1日」に2回目の付与をします。

Aさん:平成23年4月1日 に11日付与

Bさん:平成24年4月1日 に11日付与

 

B3回目(12日分)以降の付与

以降は毎年4月1日に同じように付与していくことになります。

Aさん:平成24年4月1日 に12日付与

Bさん:平成25年4月1日 に12日付与

 

 

【安易に“前倒し”の年次有給休暇付与をしてしまうと大変!】

サンプル規定の「2回目」の付与タイミングをもう一度見てください。

「勤続年数1年6カ月」になっていますよね。

 

では、

“入社時”に初回「10日」付与して、2回目を「入社1年6カ月」時

付与することはできるのでしょうか?

 

一見できそうに思うかもしれませんが、実はこれは「できません」

 

年休付与日を先述のように前倒しにすることはできますが、

一度前倒しにした場合には、以降もその日を「基準日」しなくてはなりません。

 

もう少し細かく言うと、「2回目の付与日」は

× 入社日から1年6カ月後

ではなく、

○  初回に付与した基準日から1年後

なんです。

 

原則ルールは初回付与日が「入社日から6カ月後(基準日)」だからこそ、

2回目付与が「入社1年6カ月後(基準日の1年後)」になる、ということなんですね。

 

ひらめきですから、本来の付与日以前になんとな〜く年次有給休暇を付与してしまうと、

その日が基準日になってしまい、

以降の付与日が全て前倒しになってしまいます

 

この「年次有給休暇」の付与方法については

ここで紹介した以外にもいくつかのやり方があります。

自社でどのような管理方法にするのか、をしっかり決めておきましょう。

 

また、そのルールを正確に就業規則に反映させておきましょう。

実際の管理方法と就業規則の内容が「違っている」ことがないように!

年次有給休暇A(比例付与)

(年次有給休暇)

  前項の規定にかかわらず、週所定労働時間が30時間未満であって、週所定労働日数が4日以下又は年間所定労働日数が216日以下の者に対しては、次の表のとおり勤続年数に応じた日数の年次有給休暇を与える。

週所定
労働日数
年間所定
労働日数 
           勤続年数
6ヶ月 1年
6
ヶ月
2年
6
ヶ月
3年
6
ヶ月
4年
6
ヶ月
5年
6
ヶ月
6年
6
ヶ月以上
 4 169
〜216日
 7  8  9 10 12 13 15
 3 121
〜168日
 5  6  6  8  9 10 11
 2 73
〜120日
 3  4  4  5  6  6  7
 1 48
〜72日
 1  2  2  2  3  3  3

 

チェックポイント

【「比例付与」って何?】

年次有給休暇の原則的な付与日数は先述のとおりですが、

パートタイマー従業員など、週の労働日数や労働時間が短い従業員には

その労働日数応じて別の付与日数に関する基準があります。

これを年次有給休暇の比例付与といいます。

 

ひらめき「パートタイマーには年次有給休暇あげない」は法律違反ですよ!

  

 

【年次有給休暇の比例付与の対象者】

労働基準法第39条第3項では比例付与の対象者について、次のように定められています。

 

@週所定労働時間が30時間未満かつ週所定労働日数が4日以下の者

A週所定労働時間が30時間未満かつ年間所定労働日数が216日以下の者

(Aは主に、「週所定労働日数」の把握が難しい場合に適用します)

 

「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」等の名称に関わらず共通のルールです。

 

 

【パートタイマー=比例付与対象者ではありません!】

比例付与の対象者の条件をもう一度見てください。

2つの条件いずれにも「週所定労働時間が30時間未満」という条件が入っています。

 

ということは、

ひらめきたとえ週所定労働日数が4日以下のパートタイマーであっても、

週の所定労働時間が30時間以上であれば、

比例付与ではなく、

正規従業員(正社員)と同じ日数の年次有給休暇を与えなければなりません。

 

例えば、

<週4日、1日7時間30分勤務>のパートタイマーの場合、

4×7.5=週30時間

となります(週30時間以上)ので、

この従業員には原則の付与方式を適用しなくてはなりません。

 

また、1日の労働時間が短い短時間パートタイマー」でも

週5日以上の勤務であれば

比例付与ではなく、原則の付与方式が適用になります。

 

パートタイマーが必ずしも比例付与になるわけではないので注意しましょう。

年次有給休暇B(時季変更権)

(年次有給休暇) 

  従業員は、年次有給休暇を取得しようとするときは、あらかじめ時季を指定して請求するものとする。ただし、会社は事業の正常な運営に支障があるときは、従業員の指定した時季を変更することがある。

  第1項及び第2項の出勤率の算定に当たっては、年次有給休暇を取得した期間、産前産後の休業期間、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児・介護休業法」という。)に基づく育児・介護休業期間及び業務上の傷病による休業期間は出勤したものとして取り扱う。

 

 

チェックポイント

【年次有給休暇の時期を決めるのは誰?】

年次有給休暇をいつ取得するのか、

これを決めるのは原則として「労働者」です。

 

そして、その取得理由がどのようなものであっても、

会社はこれに干渉することはできません。

 

意外と勘違いしている方もいらっしゃいますが、

年次有給休暇の取得には「正当な理由」を必要としないんですね。

ここは原則としておさえておきましょう。

 

かといって、会社にも「都合」というものがあります。

どうしてもその人にいてもらわなければ困る時に、

「これという正当な理由もなく」年次有給休暇を取られては困りますよね。

 

ひらめきそこで、労働基準法第394項では、会社は

「事業の正常な運営を妨げる」場合には、他の時期に与えることができる

と定められています。

これを「時期変更権」といいます。

 

ここでポイントになってくるのが

事業の正常な運営を妨げるってどんな場合なの?」

ということです。

 

会社側として、ここは広い範囲での解釈をしたいところですが、

その判断は

@事業の規模・内容

A担当業務の性質・内容

B業務の繁閑

C代替者配置の難易

等を総合的・客観的に考慮することになります。

 

単に仕事が滞るから、という程度の場合には、

時季変更権を行使するのは難しいでしょう

   

 

【出勤率8割の計算について】

年次有給休暇@のサンプル条文にもあるように、

年次有給休暇の付与については

所定労働日(全労働日)の8割以上出勤することが要件になっています。

 

  出勤した日数 ÷ 所定労働日数(全労働日)

 

の計算で求められるので、それぞれに含まれる範囲がポイントになってきます。

 

@ 所定労働日(全労働日)

本来労働義務がない日(休日)が含まれないのは当然ですが、

「労働義務が課せられて」いる日であっても、行政通達において

次のようなケースは全労働日には含まない と考えられています。

○使用者の責めに帰すべき事由でない事由により休業した日

○生理休暇を取得した日

○慶長休暇を取得した日

○正当なストライキその他正当な争議行為により労務の提供が全くなされなかった日

  

A 出勤した日

サンプル条文4.に記載のある事項は出勤したものとみなされます。

年次有給休暇C(繰越しについて)

(年次有給休暇)

  第3項の規定にかかわらず、従業員の過半数を代表する者との書面による協定により、各従業員の有する年次有給休暇日数のうち5日を超える部分について、あらかじめ時季を指定して与えることがある。

  当該年度に新たに付与した年次有給休暇の全部又は一部を取得しなかった場合には、その残日数は翌年度に繰り越される。

 

チェックポイント

【計画的付与について】

サンプル条文5.は計画的付与についての規定ですね。

年次有給休暇の計画的付与についてはこちらでくわしく説明していますので

参照してください。

 

 

【繰越しルールもしっかりと!】

年次有給休暇の時効は2年間です(労働基準法第115条)。

「有給は翌年(度)に限り、繰り越すことができる」

という話は聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

ここで、意外とおざなりにされているのがその「消化の順番」です。

 

繰り越し分から消化するのか?

新規付与された分から消化するのか?

 

実は、この年次有給休暇の消化の順番について、

労働基準法では決まりがありません

 

そこで、民法第4881項(2つの同種の債務を負担している場合、返済者は充当すべき債務を指定できますよ、というルール)が代わりに適用されます。

 

つまり、債務(年次有給休暇の付与)を負担している者(会社)は、2つの同種の債務(繰り越し分・新規分)どちらから先に付与するか、この消化順は決めていいですよ、ということです。

 

この消化順を「会社で決める」=「就業規則で定める」ということですよね!

 

この順番を決めていない(会社が指定しない)場合には民法第4882項が代わりに適用されて、本人(従業員)が指定する事ができます。

 

まあ、本人が指定する場合、ふつうは繰り越し分から使うでしょうね(笑)

 

ですから、特に「新規付与分から消化」するルールを設定する場合は

しっかり就業規則にルール決めしておかなくてはダメですよ。

 

また、一般的に「年次有給休暇は繰り越し分から消化する」

と思っている従業員の方が非常に多いです。

就業規則でのルール定義と合わせて、しっかりと「説明」をしておきましょう!

 

 

最後に少し具体例で見ておきましょう。

 

入社6ヶ月後に10日付与

  ↓ この期間、全く年次有給休暇を取得せず

入社1年6カ月後、11日付与(11日+繰越10日)

  ↓ この期間(Y)で、「5日間」取得

入社2年6カ月後、12日付与(12日+繰越?日)

  →ここで「繰越しできる日数」に違いが!

 

<A:年次有給休暇が「繰越し分から消化」の場合>

(Y)の期間で消化されるのは入社6カ月後(10日)分。

よって、入社2年6ヶ月時点において

○入社6カ月後(10日−5日=5日)分は時効により消滅

○入社1年6ヶ月後(11日)分はそのまま繰越

よって、繰越し日数は11日となります。

 

<B:年次有給休暇が「本年度(新規)付与された分から消化」の場合>

(Y)の期間で消化されるのは入社1年6ヶ月後(11日)分。

よって、入社2年6カ月後時点において

○入社6カ月後(10日)分は時効により消滅

○入社1年6ヶ月後(11日−5日=6日)分が繰越

よって繰越し日数は6日となります。

年次有給休暇D(半日単位の年次有給休暇)

 

チェックポイント

【半日単位の年次有給休暇とは?】

 

原則として、年次有給休暇の取得単位は「1日単位」です。

 

ですから、

従業員から年次有給休暇の「半日」請求があった場合、

会社として半日単位に分割して与える義務はありません

 

しかし、

“1日単位ではなかなか年次有給休暇が取得(消化)できない”

というのが中小企業の現状であったりもするわけです。

 

この点については、

ひらめき行政通達において「半日単位で付与する義務はない」とされている

  ↓

その反対解釈として「半日単位での付与も可能である」と考えることができる

  ↓

半日単位での付与がそのまま違法にはならない、とされています。

 

半日単位での付与を認めることで、

年次有給休暇の取得(消化)率をあげる効果も期待できます。

 

 

しかし、

あくまでも原則は「1日単位」ですので、

自社において「半日単位」での年次有給休暇を認める場合には

その旨を“会社のルール”として就業規則に定めておく必要があります

 

 

【半日単位の年次有給休暇を採用する場合の注意点】

 

半日単位での年次有給休暇を定める場合の注意点は

「半日の定義」、つまり、

「半日」をどこからどこまでで区切るか、という問題です。

 

たとえば、

9時〜18時(休憩:12時〜13時)の実働8時間勤務の会社で

半日単位の有給を取得する場合、その始業・終業時刻は 

“半分”という考え方だと「4時間勤務」

(9時-13時 or 14時-18時)

ですし、

“午前・午後”という考え方だと「お昼の休憩時間前後」

(9時-12時 or 13時-18時)

ということになります。

 

ひらめき会社としては、どちらを選んでもかまいせん。

 

“半分”とすると午前休・午後休それぞれの労働時間については公平感がありますが、

実際には「お昼を挟んで午前か午後を選べる方が良い」というケースもあります。

 

どのように「半日」を区切るにしても、従業員に誤解が生じないよう、

半日単位の年次有給休暇を採用する場合には

自社の実態にあわせて「半日の定義」(ルール)を決めておきましょう

年次有給休暇E(時間単位の年次有給休暇)

【年次有給休暇が「時間単位」で取得できるように】

労働基準法の改正により、平成224月1日から

年次有給休暇の「時間単位での取得」が可能になりました。

 

この時間単位での取得が可能になるのは5日分が限度で、

全ての付与日数が対象ではありません。

さらに、

「時間単位での年次有給休暇」導入に際しては

労使協定が必要です。

 

 同時期に改正の「時間外労働割増賃金に関する改正(※)」は

中小企業について当分の間猶予期間(必ずしも実施しなくてもよい)がありますが、

この「時間単位の年次有給休暇」の改正は会社の規模を問わず適用になります。

 

 (※)「使用者が、1か月に「60時間」を超えて時間外労働をさせた場合は、その超えた時間の労働について、通常の労働時間の賃金の計算額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。」という内容の改正

 

ひらめきここで押さえておいていただきたいのは

“この「時間単位の年次有給休暇」の制度は、

先述の年次有給休暇D「半日単位の年次有給休暇」とは

別の制度である

ということです。

 

改正後も、半日単位の年休については取扱いに変更はありません。

「半日単位の年次有給休暇」については

労使協定は不要(就業規則のみで可)ですし、

限度日数が5日分になるわけでもありません。

  

この「時間単位の年次有給休暇」制度について、

詳しくはこちらをご覧ください。

産前産後休業

(産前産後の休業等)

第19条

  6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産する予定の女性従業員から請求があったときは、休業させる。

  出産した女性従業員は、8週間は休業させる。ただし、産後6週間を経過した女性従業員から請求があったときは、医師が支障がないと認めた業務に就かせることができる。

 

 

チェックポイント

【キーワードは「請求」】

 

産前産後の休業については

サンプル条文に記載されている内容が

労働基準法第65条に定められています。

ですから、この産前産後休業期間を会社の就業規則で短縮させることはできません。

 

ひらめき産前産後の休業関連について押さえておきたいのは

「請求すれば就業可能なのか、請求があっても就業させてはいけないのか」

という点です。

キーワードは「請求」です。

 

@産前6週間(双子などの多胎妊娠の場合14週間)・・・原則は就業

「請求」があれば、就業させてはならない

・「請求」があれば、他の軽易な業務に転換させなければならない。

 

A産後8週間(産後6週間を経過していない)・・・絶対休業

「請求」の有無にかかわらず、絶対に就業させてはならない

 

B産後8週間(産後6週間を経過後)・・・原則は休業

請求」があり、かつ、その者の医師が支障ないと認めた場合は就業させてもよい

  

 

【産前・産後ってどこを基準に考えるの?】

産後についてはわかりやすいですよね。

「現実の出産日」を基準に考えます。

 

では、産前についてはどうかというと、

「自然の分娩予定日」を基準に考えます。

ですから、結果的に分娩予定日よりも実際の出産が遅れた場合、

その分産前休業の期間は長くなることになります。

 

産後の期間については先述のように「現実の出産日」を基準にして考えるので、

産前の期間が当初の予定より長くなったからといって

産後期間がその分短くなる、というようなことはありません。

 

“産前6週間+産後8週間だから
産前産後休業期間は「いつもぴったり14週間」” とはなりません

ので注意しましょう。

 

なお、出産日当日は“産前”に含まれます。

「出産日当日は産前の最終日」、「出産日翌日が産後の初日」。

これも覚えておきましょう。

  

 

【死産や流産の時はどうなるの?】

全ての妊婦の方が健康な赤ちゃんを無事出産できるわけではありません。

現実には死産や流産ということも起こりえます。

このような時はどう考えればいいのでしょうか?

 

ひらめき通達において

「出産は妊娠4カ月以上(1ヶ月は28日として計算)の分娩とし、

生産のみならず死産をも含む

とされています。

1ヶ月=28日計算なので、

事実上「妊娠85日以上」ということになりますね。

 

ですから、早産、流産、死産であっても

上記の条件に該当すれば産前産後休業の対象者となります。

 

ちなみに、妊娠中絶について妊娠4カ月以後に行った場合は

「産後休業のみ」適用となります。

母性健康管理のための休暇等

(母性健康管理のための休暇等)

20

1  妊娠中又は出産後1年を経過しない女性従業員から、所定労働時間内に母子保健法に基づく健康診査又は保健指導を受けるため、通院に必要な時間について休暇の請求があったときは、通院休暇を与える。

  妊娠中又は出産後1年を経過しない女性従業員から、保健指導又は健康診査に基づき勤務時間等について医師等の指導を受けた旨申出があった場合、次の措置を講ずることとする。

@  妊娠中の通勤緩和通勤時の混雑を避けるよう指導された場合は、原則として1時間の勤務時間の短縮又は1時間以内の時差通勤

A  妊娠中の休憩の特例休憩時間について指導された場合は、適宜休憩時間の延長、休憩の回数の増加

B 妊娠中又は出産後の諸症状に対応する措置妊娠又は出産に関する諸症状の発生又は発生のおそれがあるとして指導された場合は、その指導事項を守ることができるようにするため作業の軽減、勤務時間の短縮、休業等

 

 

チェックポイント

【「母性健康管理」については労働基準法以外の法律も重要です。】

女性の社会進出が進み、

妊娠・出産後も働き続ける女性労働者が増加している中で、

母性を保護し、女性が働きながら安心して出産できる条件を整備するため、

妊娠中及び出産後の女性労働者の健康管理に関する規定」が

法律で義務化されています。

 

キーワードは「必要な時間」と「必要な措置」です。

 

  

【“必要な時間”を確保しましょう】

事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、その雇用する女性労働者が母子保健法の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならない。

(男女雇用機会均等法第12条)

 

具体的には、厚生労働省令により、

ひらめき女性労働者が次のような妊娠週数の区分に応じた回数、

保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間

確保できるようにしなければならないとされています。

 

1 産前の場合

妊娠23週まで・・・・・・・・・・・4週に1回

妊娠24週から35週まで・・・・・・2週に1回

妊娠36週から出産まで・・・・・・・ 1週に1回

ただし、医師又は助産師(以下「医師等」)がこれと異なる指示をしたとは、その指示により、必要な時間を確保することができるようにすることが必要です。

2 産後(1年以内)の場合

医師等の指示により、必要な時間を確保することができるようにしなくてはなりません。

 

  

【“必要な措置 ”もとらなきゃいけません!】

 事業主は、その雇用する女性労働者が前条の保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため、勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければなりません。

(男女雇用機会均等法第13条第1項)

 

ではこの「必要な措置」って何でしょう?

 

「必要な措置」の具体的な内容については、

「妊娠中及び出産後の女性労働者が保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針」

において定められています。

<1.事業主が講ずべき母性健康管理上の措置>

 @妊娠中の通勤緩和

   (時差通勤、勤務時間の短縮等

 A妊娠中の休憩に関する措置

   (休憩時間の延長、休憩の回数の増加等

 B妊娠中又は出産後の症状等に対応する措置

   (作業の制限、勤務時間の短縮、休業等

 

いずれの場合も、

・医師等により指導を受けた旨の申出があった場合

  →指導に基づき、必要な措置を講じなければいけません。

・医師等による指導はないが本人から申出があった場合や、指導に基づく必要な措置が不明確である場合

  →担当の医師等と連絡をとり、その判断を求める等により必要な措置を講じなければいけません。

 

医師から「2週間程度の休業が必要」という指導があったと申出があれば

必ずその指導通りに対応しなければなりません。

 

“業務が忙しいから”等の理由で休業自体を与えなかったり、

指導された期間を勝手に短縮したりすることはできません。

 

ひらめきまた、産前産後休業と似ている点としてあげておきますが、

これらの措置のスタートは本人(妊産婦)からの「申出」です。

妊産婦全員に一律自動的にスタートするわけではありません。

 

<2.その他 >

@母性健康管理指導事項連絡カードの利用

指導事項の内容の的確な伝達、講ずべき措置の明確化
事業主は「母性健康管理指導事項連絡カード」の利用に努めなくてはいけません(努力義務です)。

 

「母性健康管理指導事項連絡カード」については、

厚生労働省のHPサイトからダウンロードすることもできます。

http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/josei/hourei/20000401-25-1.htm

 

Aプライバシーの保護

事業主は、女性労働者の症状等に関する情報につき、プライバシーの保護に、留意する必要があります。

育児休業・介護休業@(対象者と適用除外)

(育児休業等)

21 

  従業員は、1歳に満たない子を養育するため必要があるときは、会社に申し出て育児休業をし、又は育児短時間勤務制度の適用を受けることができる。

  育児休業をし、又は育児短時間勤務制度の適用を受けることができる従業員の範囲その他必要な事項については、「育児・介護休業及び育児・介護短時間勤務に関する規程」で定める。 

(介護休業等)

22 

  従業員のうち必要のある者は、会社に申し出て介護休業し、又は介護短時間勤務制度の適用を受けることができる。

  介護休業をし、又は介護短時間勤務制度の適用を受けることができる従業員の範囲その他必要な事項については、「育児・介護休業及び育児・介護短時間勤務に関する規程」で定める。  

 

 

チェックポイント

【育児・介護休業法の法改正に注意】

育児休業や介護休業は

「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律

(以下、「育児・介護休業法」)」

で労働者の権利として取得できることが定められています。

 

どういう場合にその権利を行使できるのかについては

大前提として押さえておかなくてはなりませんね。

サンプル条文にもありますが、別規程を必ず作成して整理しておきましょう。

別規程がないのにこのような条文ではいけません! 

 

また、すでに就業規則(育児・介護休業の規程)を作成している会社の場合

(一部を除き)、

平成22年6月30日施行の法改正については要注意です。  

 

 

【どんな時に取得できる休業なの?】

まずはどんな場合にこの休業を取得する権利があるのかから確認です。 

 

<育児休業>

・労働者が、その1歳に満たない子を養育するためにする休業であること

・保育園に入れないなど、一定の場合には1歳6ヶ月まで延長が可能 

 

<介護休業>

・労働者が要介護状態にある対象家族を介護するためにする休業であること

通算して93日に達するまで休業が可能

 

要介護状態」とは、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、

 2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態のことです。

対象家族」とは配偶者、父母、子、配偶者の父母並びに労働者が同居し

 かつ扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫をいいます。

 

なお、育児休業・介護休業はいずれも、取得する権利のある

労働者が会社に「申出」することがスタート地点です。

条件に該当したからと言って自動的に発生する休業ではありません。

 

しかし、労働者(人事担当者含む)のみなさんの中には

そういうことを知らない人もたくさんいます。

 

ですから、その対象者の範囲や申出の仕方、その後の対応方法

などがわかるように

「ルールブック」=就業規則や育児・介護休業の規程

を作っておく必要があるわけです。

  

 

 

【適用除外〜育児・介護休業を取る事が出来ない人】

育児休業・介護休業は次のような労働者は対象になりません

右斜め下

○「日雇い労働者」

○申出時点において、同一の事業主に引き続き雇用された期間が

 1年未満の「期間雇用者」

○休業終了後、引き続き雇用される見込みがない「期間雇用者」

 

また、上記以外にも下記の様な一定の条件については

「労使協定」を締結することで適用除外

とすることができます。(監督署への届出は不要です) 

右斜め下 

◇雇用された期間が1年未満の労働者

◇育児休業の場合は1年(16か月までの育児休業の場合は、6か月)以内、

 介護休業の場合は93日以内に雇用関係が終了する労働者

◇週の所定労働日数が2日以下の労働者

 

一見、似ている要件もありますが、

“労使協定なし”で対象外にできるのは

あくまでも「日雇い労働者」と「期間雇用者」限定です

 

正社員など「期間の定めのない」雇用契約を結んでいる労働者に対して

“入社後1年未満は適用除外にする”というような場合には

労使協定が必要ということになります。

 

 

【配偶者が専業主婦でも、育児休業が取得可能に!】

ここで、既に「就業規則」やこの「適用除外の労使協定」がある会社は要注意。

 

これまでは、労使協定を定めることにより、

配偶者が専業主婦(夫)育児休業中である場合等の

 労働者からの育児休業申出は拒むことができる という制度でした。

言ってしまえば、

「奥さんが専業主婦なら、旦那さんには育休をあげなくてもよかった」。

実際にそのようになっていた(いる)会社が多いのではないかと思います。 

 

しかし、平成22年6月30日改正でこれが「廃止」となりました。

 

つまり、どうなったかというと、

ひらめきたとえ配偶者が専業主婦(夫)であっても、育児休業を取得できる

(労使協定をもってしても、適用除外にすることはできない)

ということです。

 

また、いわゆる“内縁の妻”等が常態として子を養育することができる労働者についても、

労使協定による適用除外をすることができなくなります。 

 

この点は非常に大きな変更点となります。

「奥さんが専業主婦だから・・・」という意識は取り払い、

ポイントをおさえたうえで、

就業規則の変更、労使協定の締結を行いましょう。

育児休業・介護休業A(パパ・ママ育休プラス)

チェックポイント

【平成22年の改正のポイントは

 「お父さんの育児休業取得を促進すること」】 

平成22630日に改正された事項の大きなポイントは

「お父さんの育児休業取得を促進しよう!」

というコンセプトです。 

 

厚生労働省の調べでは、

平成20年の男性の育児休業取得率はわずか「1.23%」にとどまっています。

(前年より0.33ポイント減少)

 

出生率を上げるためにも、国としては

「出産=女性は仕事をやめる」という構図をなんとか崩したい。

右斜め下 「出産しても職場に復帰できる体制」を作っていかなくてはいけない。

右斜め下 しかし、現実的には男性の育児休業取得率が低く(休業取りにくく)、

右斜め下 結果、女性の負担が高いままなので、なかなかこのサイクルが変わらない

右斜め下そこで、男性(お父さん)が育児休業を取得しやすい環境にしよう!、と。

 

先述の「配偶者が専業主婦でも適用除外できない」という改正も

このコンセプトからきている法改正の1つです。

  

ここでは、その他に「お父さんの育児休業取得促進」を目的として

改正された事項を2点確認しておきましょう。

 

 

【パパ・ママ育休プラス  (父母で育児休業を取得する場合の育児休業可能期間の延長)】

育児・介護休業法改正前では、

育児休業が取得できるのは「子が1歳に達するまでの間」でした。

 

しかし、現実的には

お母さんが育児休業を終了したばかり(子が1歳)の時というのは

いきなり「以前と全く同じ状況」での職場復帰が難しい

というのが実態です。

 

冷静に考えても(特にお母さんは)“仕事と子育て”という新しい生活サイクルへの

「準備期間」「慣れのための期間」が必要です。 

 

「お母さんの職場復帰前後しばらくはお父さんによるフォローを

(その間に、なんとか生活サイクルを安定させてくださいね)」

・・・ということで導入されたのが「パパ・ママ育休プラス」という制度です。

 

ひらめき共働き世帯で、父母がともに育児休業を取得する場合に、

原則として子が1歳2か月に達するまでにそれぞれ1年を超えない範囲で

休業できるようにすることが義務づけされます。

 

※あくまでも父母それぞれが取れる育児休業の上限は

 (母の場合産後休含め)1年間です。

 

 

【出産後8週間以内における父親の育児休業取得の促進】

法改正前、育児休業は一度休業を終了した場合

“配偶者の死亡等、特別な事情”

がなければ「再度取得することができない」制度でした。

現実的には「再度取得すること」はなかなかできない。

 

ですから、お父さんは休業を取るタイミングも難しかった。

お母さんの出産直後に育児休業をとってしまい、

1ヶ月程度で休業を終了してしまうと、

その後はもう取る事(再度取得)が出来なくなってしまうわけですから。

 

今回の改正により、

ひらめき配偶者の出産後8週間以内に、父親が育児休業を取得した場合には、

特例として、理由を問わず、育児休業を再度取得できる

ようになりました。

 

これにより、お母さんの出産直後という時期に、

“再度取得”の心配をせずにお父さんが育児休業を取得できるようになったのです。

 

逆に会社としては、この法改正により、

今後この休業の申請をする社員(お父さん)が増える可能性を

十分に想定しておく必要がありますね。

育児休業・介護休業B(子の看護休暇)

チェックポイント

【子の看護休暇ってどんな休暇?】

特に男性には認知度が低い「子の看護休暇」。

就業規則においても「育児・介護休業規程」の中に

(就業規則本則の“特別休暇”の項目とは別の場所に)

記載されていることが多い、というせいかもしれません。

 

ひらめき「子の看護休暇」とは、

小学校就学前の子を養育するする労働者は申し出により、

一の年度において5労働日まで、

病気・けがをした子の世話をするための休暇を取る事が出来る

という制度です。

  

これは育児介護休業法で定められた休暇であり、

会社側の判断で「子の看護休暇を与えない」という類いではありません。

 

これに対して、

“結婚休暇”や“慶弔休暇”を代表とする「特別休暇」は、

これを法律上与える義務が会社にはありません。

 

だから「子の看護休暇」と「特別休暇」とは別の場所に記載されているんだ、

と考えると分かりやすいかもしれませんね。

 

 

【子の看護休暇を取得した日の賃金は?】

子の看護休暇を取得している日の賃金の扱いについては、

育児・介護休業法上、特に定めはありません

 

労働者が子の看護休暇を取得している日については、

労働者が労務を提供していないので、

事業主は賃金を支払う義務はありません。

逆に、就業規則等でこれを有給としても差し支えありません。

有給・無給のいずれかをしっかりルールとして決めて

就業規則に定めておきましょう。

 

ちなみに、中小企業では「無給」と定めているケースが多いですね。

 

※1日の途中から看護休暇を取得した場合

子の看護休暇の権利は1日分行使したことになりますが、

既に労務を提供した分については、賃金請求権も発生しているので、

この部分(実際に働いた時間)についての賃金は支払う必要があります。

 

 

【年次有給休暇との最大の違い】

「子の看護休暇」と「年次有給休暇」の最大の違いってなんだと思いますか?

 

会社で「子の看護休暇は無給」と定めている場合は

「有給か、無給か」

ということが“最大の違い”になるのかもしれませんが、

それ以外にもうひとつ大きな違いがあります。

 

それは

会社に時季変更権があるか、ないか

という点です。

 

年次有給休暇を取得しようとした場合、

会社でその日はどうしても出勤してもらわなければ困るという場合には

時季変更権を行使することができますよね。

それは(少し冷酷に感じるかもしれませんが)子供の体調とは関係ない。

そもそも、

年次有給休暇は本来「労働者本人のため」の休暇

だからです。

 

一方、育児・介護休業法で定められた「子の看護休暇」は

あくまでも「子のため」の休暇です

ひらめきですから 

「子の看護のために休暇を取得する」という権利を行使するのに、

会社の判断というものを差し込むことはできない

ということなんですね。

「ちょっと明日にしてくれる?」という話にはならない。

 

杓子定規にこの論理を振り回すのは

労働者にも会社にもとてもお勧めできるのものではありませんが、

やはりその違いを知っておくことは重要です。

 

 

【「一の年度」がいつからいつまでなのか決めておく】

「一の年度」の期間は会社で決めることができます。

きっちり決めて就業規則に定めておきましょう。

 

暦通りに1月1日から12月31日までとすることもできますが

一般的には「小学校の就学前」という区切りから、

<4月1日から翌年3月31日まで>

としている会社が多いです。

 

 

【最大で年間10日の取得が可能に!】

平成22630日の法改正において、

子の看護休暇の取得限度日数が変更になりました。

 

改正前は、小学校就学前の子が何人いても、

「労働者1人につき、年5労働日を限度」

とされていましたが、

改正後は

ひらめき「子が2人以上の労働者は、年10労働日を限度」

となります。

 

なお、対象の子が2人以上何人いても限度は10労働日なので、

3人=15労働日、4人=20労働日、・・・とはなりません。

勘違いしないように!

育児時間・生理休暇

(育児時間等)

23 

  1歳に満たない子を養育する女性従業員から請求があったときは、休憩時間のほか1日について2回、1回について30分の育児時間を与える。

  生理日の就業が著しく困難な女性従業員から請求があったときは、必要な期間休暇を与える。  

 

 

チェックポイント

【女性特有の休憩・休暇制度】

「育児時間」と「生理休暇」について見ていきましょう。

 

まずは育児時間と生理休暇の共通点を確認。

共通する特徴は次の4点です。

 

@女性従業員限定であること

生理休暇は当然として、育児時間も法律的には女性従業員が対象です。

育児休業のように、男性からの請求があっても応じる義務はありません。

もちろん、就業規則で

男性従業員にも育児時間を与える定めをしてもかまいません。 

 

A原則、無給であること

育児休業と同じ考え方です。

就業規則で有給とすることもできます。

 

B対象者の「請求」があった場合に発生すること

あくまでも「請求」ありき、の権利です。

自動的に発生するものではありません。

 

C労働基準法において定めがあること

「育児時間」については第67条、

「生理休暇」については第68条、において定められています。

よって対象者から請求があった場合、

会社の一存で「あげない、あげたくない」とすることはできません。

 

 

【就業時間の最初や最後にもとれる・・・育児時間】

「育児時間」とは、女性従業員が子への授乳などの世話を行うための時間です。

生後1年未満の子を育てている女性が1日2回、

それぞれ30分(法律上は“少なくとも30分”とされています)

の育児時間を請求することができます。

 

育児時間は就業時間内のどこでも請求する事が可能です。

ひらめき普通の「休憩時間」は就業時間の最初や最後に取る事ができませんが、

育児時間は就業時間の最初や最後でもとることもできます

  

 

【見定め方がポイント・・・生理休暇】

生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した時、

会社はその従業員を就業させることができません。

 

この生理休暇のポイントは

「就業が著しく困難かどうかの判断を、何を根拠に行うか」

です。

 

会社としては休まれたら困る、

でも、本人の説明だけでは本当に「著しく困難」かどうか、わからない。

そんなケースが起こりえます。

 

こんな時、生理休暇か否かの判断をするために

会社は“診断書等の証明書”を求めることができるのでしょうか?

 

・・・答えは×(ダメ)です。

 

ひらめきこの点については次のような通達が出されています。

特別の証明書が無くても、女性従業員から請求があったら就業させてはいけない。

・確認するにしても、本人の説明や同僚からの証言程度にとどめること。

 

よって、

通常は本人から請求があった場合には生理休暇をあたえる

と考えておいた方がよいですね。

 

ひらめきただし、この制度を悪用し、

虚偽の請求によって「ズル休み」されては困ります。

就業規則で「懲戒ルール」をしっかり整備したうえで、

ズル(虚偽申請)が判明した場合には、

その人にきちんと罰をあたえる体制作り重要です。

 

それが虚偽申請の防止、従業員間の不公平感の解消にもつながります。

特別休暇(慶弔休暇)

(慶弔休暇)

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従業員が次の事由により休暇を申請した場合は、次のとおり慶弔休暇を与える。

 @  本人が結婚したとき・・・○日

 A  妻が出産したとき・・・○日

 B  配偶者、子又は父母が死亡したとき・・・○日

 C  兄弟姉妹、祖父母、配偶者の父母又は兄弟姉妹が死亡したとき・・・○日

 

 

チェックポイント

【慶弔休暇については会社のルール決めが命!】

 

多くの会社で適用されている「慶弔休暇」。

(会社によっては「特別休暇」という名称である場合もあります)

 

ひらめきしかし、年次有給休暇とは異なり、

「慶弔休暇」を与えることは法律上の義務ではありません

 

つまり、会社のルールとして「ウチの会社は慶弔休暇与えない」というルールを決めておくこともできます。

 

ただし、法律上の義務がないからこそ、

「就業規則での取り決め」内容がその会社のルール

として扱われることになります。

 

就業規則に慶弔休暇の定めがあるにも関わらず

「あなたには慶弔休暇をあげません。法律上の義務がないので」

と言うことはできません。

 

そういう意味で、この慶弔休暇については

しっかりとルール決めをしておく必要があるわけです。

 

法律上の定めがないとはいっても、

多くの会社の就業規則において「慶弔休暇」が設けられているはずですから。

 

 

 

 

【一見すると問題なさそうですが・・・】

もう一度、サンプルに取り上げている条文を見てください。

ココだけ読んでもあまり問題は無さそうに感じるかもしれませんね。

 

でも、これだけでは実際の運用に際して

「解釈」に違いが出てきてしまうおそれがあります。

 

「読み方によっては結論が変わってしまう」ことを避けるために、

次の3点については必ずルール決めをしておきましょう。

 

ひらめき慶弔休暇の押さえドコロ

@ 「連続」取得限定なのか、「分割」取得可能なのか

A 「取得期間の制限」はないのか

B 「通常の休日と重複した場合」にはどのように扱うのか

  

これらの点について、サンプルで引き合いに出している条文からは

客観的な判断ができません。

 

そして、先述のように、

これを判断する「法律」もありません。

 

そうすると、休暇を取得しようとする社員と会社との間で

話が食い違ってしまいますよね。

 

例えば、“結婚休暇”ひとつとっても、

「結婚してからすぐにとるもの」というのが一般的なイメージかもしれませんが、

“結婚10年後に申請してはいけない”とどこにも書いていなければ、

「結婚10年後でも申請できる」と解釈することができてしまうわけです。

 

そもそも、「結婚したとき」の定義も不明確ですよね。

「入籍した日」が一般的なイメージかもしれませんが、

“結婚休暇”の位置づけから考えれば

「結婚式の日」でも「夫婦で一緒に生活をし始めた日」でも

良さそうです。

このままの条文だと、この点でも解釈が分かれてしまいます。

 

※「慶弔休暇(特別休暇)と本来の休日との関係」

について、アメブロに注意点を書きました!

よろしければこちらもご覧ください!↓

http://ameblo.jp/take-okamoto/entry-11178032640.html

 

法律上のルールがないからこそ、

会社でルールをきっちり決めておかないと

「社員のために」という会社の想いでできた特別休暇(慶弔休暇)が

「社員とのトラブルの元」になりかねないのです

 

ひらめきまた、慶弔休暇の対象者についても

「正社員のみが対象なのか、パートタイマーも対象なのか」

は決めておき、

ルールとして就業規則に記載しておきましょう。

  

「慶弔休暇」は非常に重要な項目なので、

しっかり検討・準備をして

就業規則に落とし込みをしていきましょう。