トラブルを避けるために、

就業規則を検討する際には次のポイントは外せません。

① 自社の実情にあっているか

② 表現方法、定義内容は適切か

③ 法改正に対応しているか

④ 記載内容を理解しているか

ひとつずつ見ていきましょう。

【こんな会社は注意】

①今使っている就業規則は知り合いの会社やダウンロードしたものをベースに、部分修正したものである。

②就業規則は「とりあえずあればいい」と思っている

【就業規則が足をひっぱることもある】

「就業規則がないといけないから作った」という会社に多いのが、

“とりあえずベースになるものを入手して、部分的に自社用にする”

という対応。

確かに、一定人数以上になったら就業規則が必要なのは間違いありませんが、

ここに落とし穴があります。

法律で決められてる→とりあえず準備、届け出→あとはそのまま

このパターンは非常に危険です。

とりあえずであれなんであれ、その届け出された就業規則はあなたの会社のルールです。

この内容があなたの会社の実情に合っていないと自分で自分の首をしめてしまいます。

そもそも、自社と全く同じルールの他の会社なんてあるんでしょうか?

勤務時間や休日のところだけ直して、それ以外全て同じってことはまずありません。

直したところより、むしろそのまま使っている箇所が怖いのです。

自社の中ですら、ルールって変わっていきますよね?

実情に即していない就業規則は、自ら仕掛けた時限爆弾

になってしまうのです。

「え、そんなこと書いてあったっけ!?」

こんな一言が飛び出す状況は避けなければいけません。

もうひとつ、既に起こった問題に対して、

その都度具体的トラブルに対応するために就業規則を変更するのも要注意。

結局その場その場での対応、その規定変更に無理がある場合が多いです。

そして突貫工事なので、全体のバランスを失います。

建て増しにつぐ建て増しで、

建物のあちこちが不自然に歪んでしまい、

避難経路や非常口がどこだかわからなくなってしまっている

・・・そんな旅館に、 あなたは安心して泊まれますか?

【こんな会社は注意】

①従業員の種類が多い
(正社員、契約社員、パートタイマー、嘱託社員、アルバイト、短期雇用...)

②今使っている就業規則は知り合いの会社やダウンロードしたものをベースに、部分修正したものである。

【つぎはぎだらけの就業規則は一貫性がない】

表現方法や言葉の定義に一貫性がないと、

規定の解釈をめぐって混乱が生じます。

例えば、退職金に関する事項の条文で「社員には」と記載されていた場合。

正社員だけ?

従業員全体?

この解釈はどちらとも「あり得る」のです。

つまり、アルバイトにも退職金が!

・・・揚げ足取りですよね、本当に。

でも、こんな内容が法廷で争われたりするのです。

不毛な論議だなぁ・・・、と思いませんか?

もしそう感じたら、表現方法や定義には意識的に統一を図りましょう

特に、就業規則に

「従業員」

「社員」

という表現があちこちに混在している場合、

まずはその定義・統一性は絶対に確認しておきましょう!

賞与、退職金、休職に関する事項のあたりは要注意です。

【こんな会社は注意】

①ここ5年以上、就業規則の改定(見直し)をしていない

②一番直近で、何年前に就業規則を改定(見直し)したか覚えていない

③「法改正」と「就業規則」との関連性が、ピンとこない

④どんな法律が関係しているのか、ピンとこない

【法改正についての情報収集は難しい!?】

就業規則は会社で決めることができるとはいえ、

法律を無視してその内容を定めることはできません。

たとえば、法律では

「法定時間外労働の割増賃金は2割5分増し以上」

と決められており、

法律より低いルール(例:「2割増し」等)を就業規則に

定めていた場合、 法律の方が適用されることになります

(この部分については、その就業規則は“無効”ということになります)

この「法律」は年々改正されています。

そして、その改正に関する情報について、

わざわざ行政から会社あてに「郵便お知らせ」が来るわけではありません。

基本的には自分でその情報を把握しなければいけないわけです。

そして、その内容に合わせ、就業規則も変更しておかなくてはなりません!

あとで「知らなかった」「誰も教えてくれなかった」といっても、

そんな言い訳は聞いてもらえません。 

【就業規則において、要注意の法律】

なんといっても「労働基準法」。

その他にも

「労働契約法」

「パートタイム労働法」

「育児・介護休業法」

「高年齢者雇用安定法」

「男女雇用機会均等法」

「個人情報保護法」

などなど・・・

自分だけで全て確認・把握しておくのは大変です!

【法改正への対応、していますか?】

◎平成22年4月1日から、

労働基準法改正ルールがスタート。

 「割増賃金の計算方法(割増率)変更」 (中小企業猶予期間あり)

 「年次有給休暇の時間単位取得」 

◎平成22年6月30日から、

育児・介護休業法改正ルールがスタート。

 「パパ・ママ育休プラス」

 「配偶者が専業主婦(夫)である者の適用除外規定の廃止」 など

・・・どういう改正の話か、ご存知ですか?

御社での対応はいかがですか?

【こんなあなたは注意】

①自社の就業規則作成(または変更)に携わっていない

②自社の就業規則をきちんと見たことがない

③自社の就業規則の内容を把握していない

④自社の就業規則、読んでも「意味がわからない」箇所がある

【その使い方がわかってこそ役に立つ】

就業規則を「ただの書類」と思っている方、

もったいない。

就業規則は会社のルールブックですから、

そこに書いてあることに従って運営していくことになりますよね。

でも、そのルールブックが読めなかったら、

どうやって運営していけばいいんでしょう。

高性能なパソコンを持っていても

使う人がその使い方を知らないという状態では、

そのパソコン本来の性能を発揮することができません。

「宝の持ち腐れ」という状態です。

就業規則もパソコンも、

飾っておくものではなく、「使うもの」です。

その内容を把握しておけばおくほど、そこから得られる効果も大幅に上がります!

特に就業規則サンプル等をそのまま加工した会社の場合、

作成の過程であまり細かいところまで見ていないケースが多いので、

あとで「これってどういう意味ですか?」と聞かれても答えられなかったりします。

会社が決めたルールのはずなのに、会社がわかっていない・・・

こんな状態は、会社と従業員との信頼関係を深めていく上で

障害になってしまうと思いませんか?

繰り返します。

就業規則は「置いておくもの」ではありません。

「使うもの」です。

使える状態になっていなければ、その効果は発揮できませんよ!

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プロフィール

神奈川県座間市の社会保険労務士、岡本豪です。前職は「スーパーの魚屋」!
約10年の間、日々お客様と向き合う接客の現場や部門マネージャーを経験。
そこで身に付けた「強いチームの作り方・育て方」と
社会保険労務士の「法律知識」との合わせ技で
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