労使協定

【労使協定ってなに?】

労使協定とは、

「事業場に、

労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、

労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者

との書面による協定」

をいいます。

 

(今の実態としては少し変わってきている感もありますが、)

労働基準法の基本的な考え方として、

会社=強者(命令し、給与を支払う側なので)」

労働者=弱者(命令を受け、給与を支払ってもらう側なので)」

という構図があります。

 

会社側の一方なルール決定(変更)は、時に労働者の処遇を大きく圧迫します。

でも、弱者である労働者は会社の判断を甘んじて受けなければならないことが多い。

給与を払ってもらえなくなったり、

「文句があるなら辞めてもらってもいいんだよ」なんて言われたら、

それこそ大変だからです。 

 

ひらめきそこで、労働基準法では、特に労働者の重要な処遇については

会社が就業規則等で一方的に定めるだけでなく、

「労働者の代表」とその内容を合意確認したうえで運用(変更)を認めています

 

会社:「ウチの会社では、こういうことを、こういう内容でやりますよ」

労働者代表:「了解しましたよ」 

この確認が労使協定、ということですね。

 

ちなみに、「書面で」とありますから、口頭のみでは不十分です。

 

また、労使協定の内容によって

ひらめき行政機関(労働基準監督署)への届出が「必要」なものと「不要」なものがあります

この点は注意しましょう。

 

 

【言葉の定義その1・・・「事業場」

「事業場」については、

原則として同一場所にあるものは一の事業場として取り扱います。

一つの会社に複数の工場があるような場合は、

通常はその各工場がそれぞれ一つの事業場にあたりますから、

「労働者の過半数」の要件についても

各工場ごとに判断する必要があります。

 

 

【言葉の定義その2・・・「労働者」】

「労働者」については、その事業場で働いている労働者の全員のことをさします。

管理監督者、年少者、臨時従業員やパートタイマーであっても、

事業場の労働者であることに変わりありませから、全て算入されます。

なお、労働者派遣事業から派遣される派遣労働者は、

派遣先では労働契約関係がないため除かれますが、

派遣元の事業場の労働者に含まれます。 

 

 

【言葉の定義その3・・・「労働組合」】

「労働組合」とは、労働者が労働条件の維持改善などを図る為に、

組織する団体又は、その連合団体をいいます。  

 

 

【労働者代表ってどうやって決めるの?】

事業場の過半数の労働者で組織する労働組合がない事業場では、

「労働者の過半数を代表する者」を選出しなければなりません。

つまり、過半数の労働者から「労働者代表としてのOK」をもらう必要があります。

 

過半数代表者の選出要件は次のとおりです。

@労使協定の締結などを行う者を選出することを明確にして実施される、

挙手、投票などの方法により選出された者であること。

(例)

・投票を行い、過半数の労働者の支持を得た者→○

・朝礼、集会などで挙手により行う→○

・候補者を決めておいて、投票や挙手を行う→○

・会社が労働者代表を一方的に指名・決定する→×

 

A労働基準法第41条第2項に規定する「管理監督者」でないこと。 

 

ひらめきここで勘違いされやすいのが「管理監督者」の位置づけです。

Aのように、管理監督者は労働者代表になることはできません

しかし、@の労働者代表を選出する際の「労働者」には該当します

つまり、「自分は代表になれないけれど、代表選出投票の1票は持っているし、

労働者の1人として人数もカウントされるよ」、ということです。

 

 

【労使協定の効果 〜就業規則との関係は?〜】

労働基準法上の労使協定の効力は、

その協定に定めることによって、労働させても労働基準法に違反しない

という免罰効果をもつものです。

(36協定は“届出”しないと効果そのものが発動しません。36協定についてはこちら。)

 

ですから、労働者の民事上の義務は、その協定から直接生じるのではなく、

労働協約、就業規則、雇用契約などの根拠が必要なのです。

 

「就業規則」だけでは、法律で拘束された労働をさせることができない。

「労使協定」だけでは、会社のルールとして指揮命令をすることができない。

・・・「就業規則」と「労使協定」は、車の両輪みたいな関係なんです!