賃金E(役職手当と固定残業代)

(役職手当)

29    役付手当は、次の職位にある者に対し支給する。        

@  店長                                         月額○円        

A  副店長                                       月額○円        

B  課長                                         月額○円        

C  主人                                         月額○円

 

 

チェックポイント

【「手当」をおさえるための2つのキーワード】

“役職者”に対して支給される「役職手当」、「役付手当」など

(以下「役職手当」とします)の手当。

取り扱いにおいて、誤解・勘違いの多い手当でもあります。

役職手当は次の2つのキーワードをおさえていきましょう。

 

@「固定残業代

A「管理監督者

 

今回は@の「固定残業代」についてです。

(A管理監督者についてはこちら) 

 

 

【その役職手当、残業代を含んでいますか?】

◆勘違いその1:

「課長以上の役職者には残業(代)がつかない」と思っていませんか?

A1:

残業代を支払う必要がない「管理監督者」については別途まとめますが、

その範囲は非常に狭く、課長はおろか、店長すらもこの

「管理監督者」には該当しないケースが多いというのが実態です。

 

◆勘違いその2:

「残業代の代わりが役職手当なんだ」と思っていませんか?

A2:

この勘違いをしている場合、致命的なリスクを抱えている可能性があります。

【リスク1】

大前提として、そのままでは「役職手当」は残業代の代わりになりません

サンプル規定のような取扱い(条文)では

あくまでも役職(職位)に対する手当になっていて、

「残業代の代わりなんですよ」ということが書いていないからです。

つまり、このままでは“残業代未払い”ということになってしまいます。

【リスク2】

役職手当は「割増賃金の算定対象」の手当です。

誤って“役職手当=残業代”と考えていた場合、

当然この役職手当自体を割増賃金の計算に入れていない、ということが考えられます。

つまり、【リスク1】で発覚した未払い残業代を正しく再計算しなくてはならなくなった時、

奇しくもこの役職手当を含めて残業代の単価計算がされてしまうのです。

当然、支払うべき金額も増えることになります。

まさに、会社としては“二重苦”ということになりかねません!

 

 

【固定残業代とは?】

通常、残業代は実際に行った残業時間に応じて計算・支払いが行われます。

これに対して、毎月その残業代を固定して支給する方法があります。

これが一般的に「固定残業代」といわれるものです。

 

 

【固定残業代の特徴】

わかりやすい点はやはり、毎月の残業代支給額のばらつきが“少なく”なることでしょう。

ただし、

「何時間残業しても固定残業代を支払っているから大丈夫」

「残業時間の集計をしなくてもいいから楽チン」

「一度決めたら金額の見直しがなくて便利」

と考えての導入はちょっと待って!

 

ひらめき固定残業代制では

・事前に、固定残業代の対象となる残業時間数の設定が必要!

・残業時間の集計は必要!

・対象残業時間数を超えた分については、別途割増賃金の支払いが必要!

 (対象時間に満たなくても、固定残業代を減額することはできません!)

・給与改定ごとに固定残業代の見直し(再計算)が必要!

です。

 

通常の役職手当のように「一度決めたらずっとそのまま」というような

お手軽便利な制度ではありません。

 

 

【固定残業代を導入する時のポイント】

役職手当を固定残業代(の一部)として扱う場合、

 

@就業規則に次のことを明記しておきましょう

・「役職手当」に時間外(または深夜・休日)労働割増賃金分を含むこと。

・何時間分の残業(時間外、深夜、休日労働)を対象とするのか。

・役職手当として支払ったものを残業代として(二重に)支払わないこと。

 

A個別に「固定残業代」を正しく算出しましょう

 算出の仕方はまた別の機会に・・・。