懲戒F-2(懲戒処分が認められる条件)

前回の続きです。

 

チェックポイント 

【C一つの行為に、罰は一つ】

会社ルールを守らない、懲戒処分に該当するような行為をされると、

複数の処分をしてしまいたくなることがあるかもしれません。

 

さすがに、いきなり同時に複数の懲戒処分を行うことはないかもしれませんが、

一度懲戒処分をした後で、

「やっぱりあの程度では怒りが収まらない。あらためて重い処分を科してやる!」

と思うことはあるかもしれません。

 

・・・しかし、こういうことはできません

 

憲法39条(※)において「二重処罰の禁止」が定められており、

これを根拠に刑事訴訟法においても、 

「同一刑事事件について、確定した判決がある場合には、

その事件について再度の実体審理をすることは許さない」

という「一事不再理の原則」があります。

懲戒処分についても、これと同じ考え方がされています。

 

※日本国憲法 第39条

何人も、実行の時に適法であった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問われない。また、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問われない。

 

 

【D行為と罰との間に相当性があること】

行為と罰には、その「バランス」が必要です。

 

たとえば、「飲酒運転」という行為は決して許されるものではありませんよね。

でも、それだけで「死刑になる」という話になれば、

「さすがに処分が重すぎる」ということになるのではないでしょうか。

 

ここまでいかなくても、

いくら「会社のルール違反」をしたとはいえ、

なんでもかんでも「懲戒解雇する」というわけにはいきません。

“ちょっとしたミスで懲戒解雇”では、「相当性がない」ということになります。

 

 

【E適正な手続きが行われること】

就業規則で「手続きルール」を定めている場合には

それに従うことが必要です。

 

特に諭旨退職や懲戒解雇などの「重い処分」を与えようとするときは、

会社側が一方的に行うのではなく、

事前に「本人に弁明する機会」を与えて、

本当にその処分が必要かどうか、慎重に判断する必要があります。