懲戒D(諭旨退職)

チェックポイント

【諭旨(ゆし)退職って何?】

就業規則の懲戒処分の種類の中に

「諭旨退職」

という項目が記載されていることがあります。

諭旨解雇、諭旨免職などの表現がされている場合もありますね。

 

懲戒処分の中でももっとも重い「懲戒解雇」については

ほとんど全ての就業規則に記載があり、

(詳細は別にして)なんとなくイメージもわきやすいと思います。

会社のルールを破った従業員を

会社側が「罰として強制的に辞めさせる」ルールですよね。

ここでは、従業員の判断の余地はありません。

 

ひらめきこれに対して、「諭旨退職」というのは、

本人に自発的な退職をうながす懲戒処分

です。

最終的な判断を行うのは従業員の側です。

 

諭旨退職の話が出てくるのは次のようなケースです。

懲戒内容は「懲戒解雇」に相当するものである

しかし、本人が非常に反省している

会社としても情状酌量の余地があると判断

 

こうした場合に、いきなり懲戒解雇にするのではなく、

本人に「退職願を提出して自ら退職する」という選択肢を提示するのです。

 

諭旨退職と懲戒解雇の違い

 

諭旨退職 

懲戒解雇 

判断する人

従業員本人 

会社

退職の種類

自己都合退職 

解雇

退職金

(自己都合退職扱い) 

(就業規則にその旨記載)

 

 

【諭旨退職に応じない場合には懲戒解雇】

情状酌量の余地があるとはいえ、

懲戒解雇に匹敵する行為をした従業員であることにはかわりありません。

 

「自発的な退職願の提出」も、

本当に全て「お任せ」してしまうと

いつまで経っても「考え中」(退職願を提出しない)

ということになりかねません。

これは会社的にも、他の従業員からしても、いいことではないですね。

 

ですから、

諭旨退職による処分から退職願を提出するまでの

「締め切り期間」をしっかり決めておき、

これを超えた場合には「懲戒解雇とする」こと

あわせて、

その際には退職金も不支給とすること

を明記しておきましょう。

 

なお、この「締め切り期間」について、

法律による定めはありませんが、

処分の日から

「1週間以内」または「10日以内」

程度にしておきましょう。

 

 

【“退職勧奨”と混同しないように!】

「本人に退職願を出すように会社側から話をする」

という外見だけ見ると、

「諭旨退職」は「退職勧奨」と非常に似ていますよね。

 

しかし、この二つは全くの別物です。

従業員も誤解しやすいところなので要注意。

 

「諭旨退職」はここで取り上げているように

あくまでも従業員への懲戒処分(ルール違反に対する制裁罰)です。

「諭旨退職」により退職した場合、

その取り扱いは「自己都合退職」です。

 

一方、「退職勧奨」は、会社側の都合・判断によって

従業員に退職願の提出を促すものであり、

取り扱いも「会社都合退職」となります。

 

自己都合退職と会社都合退職では

・退職金の計算(係数)

・退職後の失業保険の取り扱い

など、異なってくることがあります。

 

ですから、

諭旨退職の懲戒処分を与えるときには

対象従業員がこの点を誤解しないように、

(就業規則を使ったりしながら)

しっかり説明しておくことがポイントです。