懲戒A(減給)

第55条(懲戒の種類)
懲戒は、その情状に応じ、次の区分により行う。
・・・          
A  減  給     始末書を提出させて減給する。ただし、減給は1回の額が平均賃金の1日分の5割を超えることなく、また、総額が1賃金支払い期間における賃金の1割を超えることはない。

 

 

チェックポイント

【「減給」できる範囲には制限がある!】

懲戒処分の一つである「減給」。

この「減給」については次のように勘違いされていることがあります。

 

@賃金改定により給与が下がった(=給与が減った)ケースと同じだと思っている

A会社の裁量で減給額を決めることができると思っている

 

@については同じように「減給」と表現されることがあるので注意しましょう。

賃金改定による賃金の減額は継続的なものですが、

懲戒処分の「減給」は一つの懲戒事由につき一度限りです。

継続性はありません。

 

「懲戒処分として1年間は毎月○円減給を行う」というものではありません

 

 

Aについては、

懲戒処分として“減給できる範囲”が定められています。

(労働基準法第91条)

 

「懲戒処分は会社が定めるもの」

という前提は変わりませんが、この点は注意が必要です。

 

ひらめき制裁(懲戒)処分として減給をする場合には

@ 1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えないこと

A 総額が一賃金支払期間の総額の10分の1を超えないこと

いずれの条件も満たしていることが必要です。

 

つまり、1日の平均賃金が「1万円」の場合、

懲戒処分としての減給は「1日分の半額=5千円」までしかできない

ということなんですね。

 

平均賃金が低い従業員であればあるほど、

減給できる上限額はさらに低くなっていきます

「懲戒処分の減給は一律○万円」というルールを定めることはできないんですね。

 

減給できる範囲について、

サンプル条文を流用している場合などは

就業規則にはしっかり記載されているのですが、

この点を「会社(運用者)がよく理解していない」というケースもあります。

 

そういう会社の方にあらためてこのことをお伝えすると

「えっ、5千円しか減給できないの!?」

と驚かれることもあります。

 

もし懲戒処分における減給が数万円単位でできると思っているのであれば、 

“懲戒処分の減給、思っているほど大きな額を減給できない”

とイメージを修正をしておいた方がよいかと思います。