懲戒@(懲戒の種類:譴責)

第55条(懲戒の種類)
懲戒は、その情状に応じ、次の区分により行う。
@  けん責     始末書を提出させて将来を戒める。
A  減  給     始末書を提出させて減給する。ただし、減給は1回の額が平均賃金の1日分の5割を超えることなく、また、総額が1賃金支払い期間における賃金の1割を超えることはない。
B  出勤停止   始末書を提出させるほか、原則として○日間を限度として出勤を停止し、その間の賃金は支給しない。
C  懲戒解雇   即時に解雇する。

 

チェックポイント

【懲戒の種類もいろいろ】

ほとんどの会社の就業規則に定められている「懲戒規定」。

でも、よく見ると、その「種類」は会社によって異なります。

「いろいろあるけど何が違うの?」

 

 

【あまり規定には載っていない?「戒告」】

「戒告」は懲戒としてはもっとも軽い処分です。

注意をあたえる(将来を戒める)ものですが、

始末書の提出を義務づけしません

 

この戒告に相当する行為は、

通常の業務の中で行われることですよね。

ですから、わざわざ

就業規則に定めていない、というケースも多いです。

 

 

【始末書の提出をさせる「譴責」】

「譴責(けんせき)」は

始末書を提出させて将来を戒めるものです。

さきほどの戒告とは始末書提出義務の有無が異なります。

一般的な就業規則では、これがもっとも軽い懲戒処分になっています。

 

ここで実務上起こる問題が、

「従業員が始末書を提出しない」

というケースです。

 

<始末書を提出しない>事に対してあらたに懲戒処分とする、

という考え方もありますが、

実務上は次のように対応しておいた方がよいでしょう。

@まずは始末書の提出を促す

Aそれでも始末書提出を行わなかった場合には人事考課や賞与算定に反映する

B将来に備えて「業務報告書または顛末(てんまつ)書」を提出させる

 

 

【始末書と業務報告書(顛末書)の違い】

「始末書」と「業務報告書(顛末書)」、

一見同じようなイメージかもしれませんが、

その性質は異なります。

 

始末書は最終的に「謝罪・反省」を含みます。

つまり、始末書を書いた人の「心情」を反映させるものです。

「今回はすみませんでした。今後このようなことはいたしません」

という内容ですね。

 

本来、こうした「ごめんなさい」という内容を強制することはできません。

懲戒処分における「始末書」はこれを強制する特殊な措置です。

(ですから就業規則の定めが必要なんですね。これについてはあらためて。)

 

ですから、「始末書は出さない」という人もいます。

そこで登場するのが「業務報告書(顛末書)」です。

 

ひらめき「業務報告書(顛末書)」はその名の通り、

「事実(一連の顛末)の報告」が目的です。

始末書のように「ごめんなさい」という反省を書かせるものではありません。

その一方で、業務の報告を命じるものですから、懲戒処分ではなく

「業務命令として」提出させることができます

これには会社として強制力がありますし、

“始末書には抵抗がある”という従業員の心理的ハードルも下がります。

 

業務報告書が提出されたら

 ・提出日

 ・一連の顛末内容

 ・本人の署名・捺印

を確認のうえ受け取り、保管しておきましょう。

そして、将来の懲戒処分や解雇の判断材料の一つにします。

「こういう一連の事実があった」という大きな「証拠書類」になるのです。

(あくまでも“判断材料の一つ”ということにはなりますが)

 

もちろん、始末書を提出してもらうのが前提です。 

しかし、本来始末書を提出すべき懲戒事由に該当しているからといって、

「出せ」「出さない」というやりとりを延々と繰り返しているのでは本末転倒です。

 

状況によってはこういう対応も検討しましょう。