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第53条(教育訓練)
1 会社は、従業員に対し、業務に必要な知識、技能を高め、資質の向上を図るため、必要な教育訓練を行う。
2 従業員は、会社から教育訓練を受講するよう指示された場合には、特段の事由がない限り指示された教育訓練を受けなければならない。
チェックポイント
【研修費用を退職時に回収できる?】
会社によって、従業員に研修費用を出しているケースがあると思います。
会社としては「この会社でがんばってくれること」を前提に
費用を出しているはず。
しかし、研修をいくつか受けた後に、あっさりと
「辞めます」と言われたら・・・
ちょっと待てよ!と思いますよね。
研修費用を従業員から回収することは可能なのでしょうか?
一定期間就業することを条件に採用・研修を行うことはできるのでしょうか?
【労働基準法第16条に注意】
会社は、労働者が退職する場合などに、
一定額の違約金を定めたり、損害賠償の請求を予定することによって、
退職の自由を制限することはできません。
(労働基準法第16条)
さきほどの「一定期間就業を条件に・・・」は
これにひっかかる可能性をもっています。
「退職に際して、研修費用4万円を遡って会社に支払う」
という契約は退職の自由を奪うので
労働基準法第16条違反である、とした判例があります。
【ポイントは「強制」か「任意」か】
会社は、従業員が業務を行うために
必要な教育を行わなくてはなりません。
ですから、「必要な教育=強制」
ということになります。
会社が強制(義務化)している教育については、
費用も会社が負担しなくてはなりません。
会社が受講を義務づけている教育・研修の費用を
従業員に費用負担させる(支払わせる)ことはできません。
就業規則で「必ず受けなくてはならない」とされている教育訓練は
まさにこれですね。
一方、
従業員のスキルアップ(資格取得など)を目的とする
「任意の」研修費用については、
必ずしも会社に費用負担の義務はありません。
このような場合は悩みどころですね。
スキルアップは会社のプラスになりますから、推奨したいし補助したい。
でも、受講後すぐに辞められたら、会社が損してしまう。
【「立て替え払い」という取り扱いも検討を】
任意の研修費用の場合、
「立て替え払い」という方法を検討してみるのも一案です。
あくまでも、会社は従業員本人の意思に対して費用を「立て替える」。
ですから、基本は「返してもらう」。
ただし、一定期間就業(在籍)した場合には、この返還義務を「免除する」。
このような取り扱いを行う場合は次の点を注意しておきましょう。
①事前にこの仕組みについて就業規則の定めや従業員への説明をしておくこと
②任意の教育・研修が対象であること
③労働契約を拘束しないものであること
④研修費用の実費の範囲内であること
あとで「言った言わない」のトラブルを回避するには
立て替え払いに関して書面で確認すること(消費貸借契約書など)
もポイントですね。
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事務所紹介
神奈川県座間市の社会保険労務士、岡本豪です。前職は「スーパーの魚屋」!
約10年の間、日々お客様と向き合う接客の現場や部門マネージャーを経験。
そこで身に付けた「強いチームの作り方・育て方」と
社会保険労務士の「法律知識」との合わせ技で
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