【夏季休暇などにも使える「計画的付与」】

なかなか進まないことが多い年次有給休暇の消化…。

この消化率を高める目的で、

労働基準法では「年次有給休暇の計画的付与」の制度が定められています。

「計画年休」と呼ばれることもあります。

この制度により、

使用者(会社)は、労働者の過半数を代表する者との書面による協定(労使協定)により、

「有給休暇を与える時季に関する定め」をしたときは、

これらの規定による有給休暇の日数のうち5日を超える部分については、

この労使協定で定めた日に有給休暇を取得させることができます。

つまり、この制度を使えば、

通常各従業員からの申請に応じて付与する年次有給休暇を

「夏季休暇」などにあてることもできるのです。

(例)夏季休暇5日間のうち、

3日分は特別休暇(会社で定めた休暇)で、2日分は計画年休、

とする事も可能です!

【計画的付与:3つのやり方と、労使協定で決めておくべき事項】

A)事業場全体の休業による一斉付与方式

  決めておくこと…具体的な年休付与日

B)班(グループ)別の交代制付与方式

  決めておくこと…班(グループ)別の具体的な年休付与日

C)年休計画表による個人別付与方式

  決めておくこと…年休計画表を作成する時期とその手続き

A)、B)は具体的な付与日、

C)については対象期間(7月1日〜9月30日等)とその決め方、通知方法など

を協定で決めておくことになります。

従業員間での日程調整が必要なC)は、労使協定の中で

各従業員ごとの具体的な付与日まで決まっていなくてもかまいません。

日程は毎年変わるケースが多いので、

A)、B)、C)のどのやり方であっても、

1年(年度)ごとに労使協定を締結しておきましょう。

【運用上のポイント】

①計画的付与として時季を指定したときは、

労働者の時季指定権や使用者の時季変更権は、共に行使できません。

一度決めたら原則として動かせない、ということです。

万が一に備えて、協定の中には

「業務に支障がある場合は変更することがある」旨の文章を入れておきましょう。

②「年次有給休暇の日数が5日以下」の従業員がいる場合には注意。

この計画年休は年次有給休暇のうち5日を超える部分だけにしか使えません。

つまり、入社間もない従業員等、

5日以上年次有給休暇をもっていない従業員には

計画的付与できる年次有給休暇がない 、ということがおこりえます。

例えば、

前述の“A)事業場全体一斉付与方式”の計画年休を採用している会社で 

こうした従業員を付与日数を増やす等のフォローもなく休ませてしまった場合、

「会社都合の休業」をさせたことになってしまいます。

この「休業」によって賃金が減額されてしまうような場合、

「休業手当」を支払う必要が出てきますので注意しましょう。

③労使協定の「締結」は必要ですが、監督署への「届出」は不要です。

ただし、監督署に提出しなくていいからといって、

労使協定の締結(書類の作成)をさぼらないように!

監督署の立ち入り調査が入った場合は確実にチェックされます。

協定書は大切に保管しておきましょう。

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プロフィール

神奈川県座間市の社会保険労務士、岡本豪です。前職は「スーパーの魚屋」!
約10年の間、日々お客様と向き合う接客の現場や部門マネージャーを経験。
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