第7条(労働条件の明示)

会社は、従業員の採用に際しては、採用時の賃金、就業場所、従事する業務、労働時間、休日その他の労働条件を明らかにするための書面の交付及びこの規則を周知して労働条件を明示するものとする。

チェックポイント

【労働条件の明示ってどういうこと?】

労働条件の示し方については

「契約なんだからそりゃはっきりしなきゃいけないよね」

という意味もありますが、

特に法律でそのルールが決められています。

労働基準法第15条(労働条件の明示)

①使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

②前項の規定によって明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。

③前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。

この労働条件の明示、口頭でも構わないのですが、

ここで登場した「厚生労働省令で定める事項」(下記事項)については

採用にあたり、必ず書面交付による明示が求められます。

これらは「絶対的明示事項」などと呼ばれています。

①労働契約の期間に関する事項

②就業の場所及び従事すべき業務に関する事項

③始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項

④賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金、賞与を除く。以下同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期に関する事項

⑤退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

「口約束でも契約は成立するはず!」と思った方、正解です。

雇用契約書がなくても、“契約自体”は成立します。

しかし、“これら事項を「口頭で伝えた」だけでは

(契約自体は成立しても)労働基準法15条違反になる

ということは必ず押さえておきましょう。

また、絶対的明示事項“以外”の事項についても、

後で「言った、言わない」の論議になることを避けるために、

書面での明示・確認を行いましょう。

労働契約法(4条2項)で

労働契約の内容について、できるかぎり書面により確認するもの

と定められています。

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